No.150 (戦後のソ連・ロシア)  : 

「ブレジネフの『カクレミノとホンネ』とはどのようなものか?」

1964〜89年末の後期冷戦期を象徴するソ連書記長ブレジネフは、「カクレ
ミノ」として70年に西独と武力不行使条約を結び、72年と79年には米と戦
略核兵器制限交渉(SALTT・U)を行う協調外交を展開しつつ、「ホ
ンネ」として68年のチェコスロヴァキアへの軍事介入や79年のアフガニス
タン侵攻を強行した。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

ソ連の覇権主義を象徴する「主権制限論」(ブレジネフ・ドクトリン)につ
いて、合衆国の「先制攻撃論」(ブッシュ・ドクトリン)と比較しながら、
大きな興味を持って学習に取り組んでいる。

思考・判断:

緊張緩和期の立て役者であったフルシチョフの解任後に登場したブレジネフ
が、一方では70年代のデタントを演出しつつ、本質的にはソ連の覇権主義を
復活させたことについて、的確に判断している。

資料活用の技能・表現:
60年代中頃から80年代前半にかけての後期冷戦について、東西両陣営の強硬
外交の「丁々発止」を年表に整理することにより理解を深めている。

知識・理解:
ソ連のブレジネフによる、戦略核兵器制限交渉(SALTT・U)等の協調
外交と、チェコスロヴァキアへの軍事介入やアフガニスタン侵攻等の強硬外
交の両面について、基本的な知識を身につけている。